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!!!5秒以上1分未満な物語!!!

ブログ小説第2弾です!今回は主人公がいますwずっと描きたかったテーマだったので…上手く表現できれば…と思います!

【KADODE】83話 足を引きずり、縺れ…

第83話

 

足を引きずり、縺れ…

今にも倒れ込みそうな満身創痍な人影…

 

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「リージ…!いったい、なぜここに?」

 

ルピナスの静かな低い声を聞いた途端、

足を引きずる人影はついに地面へ崩れ落ちる。

 

ゼィ、ゼィ…と荒く息を吐きながらも懸命に言葉を紡ぐ。

 

「…ル、ルピナス…さん…?」

 

「ああ…。

リーサはどうした?

…何があった?」

 

リーサの名を聞いた途端…

リージの堰き止められていた感情が溢れる。

 

「う…、…、うわぁぁぁ…!…っ、…っ…」

 

人前で声を上げて泣くなんて…子供では無いのだから…!

リージの理性が働こうとするが、止められない。

 

「…うっ…っく…」

 

涙を、感情を抑え込もうと必死に目を擦る。

 

カドデが心配そうに、リージの背を撫でる。

 

ルピナスは共に屈んで、リージが落ち着くのを静かに待つ。

 

「…ごめ…んな…さぃ…。

…僕…助けを…

助けを呼んで来いって…頼まれて…」

 

ルピナスが頷く。

焦らせ無いよう、且つ話しを進めさせる。

 

「…昨日…

夕方頃に…、故郷の村に…

もぅ少しで家に帰る…時に…」

 

 

(84話へ続く)