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!!!5秒以上1分未満な物語!!!

ブログ小説第2弾です!今回は主人公がいますwずっと描きたかったテーマだったので…上手く表現できれば…と思います!

【KADODE】113話 「仇は…まだ残っているのね…?」

第113話 「仇は…まだ残っているのね?」 ルピナスが村へ到着する前に村を襲撃し、興味を失い去って行った2匹がいた… リーサの瞳に黒い、闇のようなものが宿る気がして、リージは慌てる。 「リーサ、飛んで行ったワイバーンなんて 探そうとしても見つからない…

【KADODE】112話 自警団の団長をしていた父の…

第112話 自警団の団長をしていた父の壮絶な顔、言葉… 絶対に、古い虚のある大きな木へワイバーンを近付けさせまいと死力を尽くした。 「リージとて、単身で無事に助けを呼びに行け たのは何故か… 自警団の彼らがワイバーンを引き付けていたからではないか?…

【KADODE】111話 自警団の彼らがいかに…

第111話 自警団の彼らがいかに、死力を尽くして戦い、燃え尽きるその瞬間まで生き、そして最期を迎えたか… リーサは父や、自警団の皆を喪った悲しさよりも… 彼らの生きた証を聞いて欲しかった。 そして悔しかった。 あんなに傷付き、苦しみ 尚も立ち上がり… …

【KADODE】110話 涙声で発せられたリージの言葉に…

第110話 涙声で発しられたリージの言葉がリーサの意識に入ってきた。 「ワイバーンは殺したから…」 リーサはゆっくりと顔を上げる。 呆けたような、信じられない事を聞いたような顔をして… 「…ホント…? ワイバーンは…死んだ…? …全部…、、、?」 「ああ。ル…

【KADODE】109話 古く大きな木の虚の中に…

第109話 古く大きな木の虚の中に、リーサは蹲っていた。 身を縮め、両手で膝を抱え 小刻みに震えながら… 普段なら、そのクリクリとした大きな目はキラキラと好奇心を宿し輝いていたが… 今は泣き腫らしたのだろう、瞼は赤く腫れ虚ろな目を覗かせていた。 リー…

【KADODE】108話「こっちからリーサの声が聞こえる…」

第108話 「こっちだ。 こっちから、リーサの声が聞こえる…」 抑揚の無い静かなルピナスの声が、リージの耳に届くと同時に リージは頭で考えるより先に足が動いていた。 様々な事が重なり震え、力を宿さなくなった足を、無理矢理叱咤し動かせる。 ルピナスの…

【KADODE】107話 「なんで…何で…」

第107話 「なんで…何で…」 リージの震える唇は、そう紡ぐばかりだった。 父は愛用の大斧を握り締めたまま絶えていた。 帰宅したリーサから返却されたのだろう。 では、リーサはどこに? 村の近くで、リージを救援へ向かわせて 自らは村へ行ってしまった。 探…

【KADODE】106話 村の中を歩く程…

第106話 村の中を歩く程、悲痛で砕け落ちそうになる気持ちを… それでも繋ぎ止め、足を前進させる。 ほんの僅かだが、希望があった。 村の誰かが生き残っている… それに縋るように村外れまで歩いて来たが… リージの歩みはついに止まってしまう。 村の外れには…

【KADODE】105話 リージにとって村人全員が親戚のような…

第105話 リージにとって村人全員が親戚のような存在だった。 …だから、分かってしまうのだ。 見慣れた家々の… 変わり果てた瓦礫の下から覗く手足の主を。 ある者は下敷きに…ある者は黒炭と化し… 皆…つい数日前まで元気に言葉を交わしていた者達だ。 街へ行く…

【KADODE】104話 「急いで助けましょう!」

第104話 「急いで助けましょう!」 リージは未だ震える膝を叱咤しながらルピナスに近づく。 辺りを見渡したが…人の声は聞こえない。 聞こえるのは炎の燃える音や、炭と化した家屋の崩壊する音… 「…どの辺から…人の声が…?」 「こっちだ。…リージ、歩いて行け…

【KADODE】103話 「人間だ。人間の声がする…」

第103話 「人間だ。人間の声がする…」 突拍子も無いセリフだが… リージにとっては、こんな嬉しい言葉は無かった。 「本当ですか⁈ この村の生き残り…⁈ 声は何人ですか?」 堰を切ったように捲し立てるリージとは反対に あくまで冷静な声でルピナスは応じる。 …

【KADODE】102話 未だ膝が震え、足元が覚束ないが…

第102話 未だ膝が震え、足元が覚束ないが… リージはなんとか立ち上がり周囲を見渡した。 家々は炎が燻り黒煙を上げたままだ。 風は吹いていないし、これ以上燃え広がらないようだが… その炎を背景に火よりも赤い血を流し三匹のワイバーンが屠られている。 ル…

【KADODE】101話 ワイバーンの首に蹴りを入れ…

第101話 ルピナスはワイバーンの首に蹴りを入れ、動かなくなったところで、トドメに羽に突き刺さっていたナイフで首を刎ねる。 ルピナスは戦闘慣れしていた。 リージにとっては全てが初めて目の当たりにする事で… 例え憎い怪物とはいえ、凄惨な戦闘の光景に…

【KADODE】100話 リージが膝から崩れ落ちながら見た空の先に…

第100話 リージが膝から崩れ落ちながら見た空の先に、光るナイフの軌道があった。 ナイフはワイバーンの首を刎ね尚、速度を保ちそのまま近く上空を飛んで様子を伺っていた3体目のワイバーンの羽付け根に刺さる。 思わぬ攻撃に3体目のワイバーンは悲鳴を上げ…

【KADODE】99話 と、同時にナイフをワイバーン目掛け…

第99話 ルピナスはワイバーンの炎を空中で躱し、ナイフをワイバーンの首目掛け投げつけた。 そのナイフの軌道はリージには見えなかった。 …恐らく自らの首目掛けて飛んできたワイバーンでさえ。 ナイフは並の人の動体視力では追えない程の速さと威力でワイバ…

【KADODE】98話 ルピナスは正面からワイバーンの…

第98話 ルピナスは正面からワイバーンの炎を浴びようとしていた。 1体目のワイバーンを仕留めた後、再度跳躍したその直後に2体目のワイバーンがルピナス目掛けて炎を吐いたのだ。 既に空中にいるルピナスには、どうしようもできない… リージは叫ぶしか無かっ…

【KADODE】97話 ワイバーンの首を落とした人物は…

第97話 ワイバーンの首を落とした人物は、一度下方の家の屋根へ着地する。 その勢いのまま再び跳躍… しかし…そのタイミングで2体目のワイバーンが火を吐く。 十数メートル上空から地上に届く程の巨大な火柱のような一撃が跳躍したばかりの人物に襲いかかる。…

【KADODE】96話 轟音の如き何かの鳴き声が耳に衝撃を与えた

第96話 リージは自分から遠のき、ワイバーンへ赴こうとするルピナスへささやかながらも、有りっ丈の気持ちを込めて祈りを捧げていた。 決して敬虔な信徒とは言えないリージだったが…果たして祈りは通じるのか… 指を組み少し俯きかけた、その時だった。 轟音…

【KADODE】95話「待って下さいルピナスさん!」

第95話 「待って下さいルピナスさん! ちゃんとした武器や装備も無いのに… ワイバーン三匹相手なんて…無茶過ぎです!」 ワイバーンの方へ歩き出しているルピナスは 軽くリージの方へ向けて聞こえるかどうか程小さく言葉を発する。 「武器は…村で貰ったナイフ…

【KADODE】94話 「三匹か…」

第94話 「三匹か…」 「僕が最初に見かけた時よりも、数は少しだけ減っています… 村を破壊…し尽くしたので他へ行ったのでしょう…」 リージは必死に冷静を保ちながらも、苦しそうに言葉を発する。 「けれど、流石に三匹相手では…不可能です…! 生存者救出を優…

【KADODE】93話 咽び泣く背中へ触れる気配にリージは気付いた…

第93話 咽び泣く背中へ… ふと、優しく触れる気配にリージは気付いた。 「ルピナスさん…」 「…先ずは、ワイバーンを倒すぞ。」 「…はい。僕は何をすれば…?」 「自分がワイバーンと戦闘している間、救出可能な村人がいないか、探してみてくれ。 …ただし、この…

【KADODE】92話 僕の故郷の村は…

第92話 僕の故郷の村はなだらかな小高い丘の上にあった。 明るい森林に囲まれていて、村人は猟をしたり、薪を作って生計を立てていた。 さほど豊かでは無かったけれど… 村の外れの小ぶりな畑とか、果樹園とか… 自給自足は十分にできていて、 僕らは皆、充実…

【KADODE】91話 「行くぞ。村に着いたら戦闘になる…」

第91話 「…とにかく向かってみるぞ。 村に着いたら戦闘になる。 動けそうか?」 黒煙や炎にも動揺した感の無いルピナスが冷静に言葉を発する。 「…大丈夫です! …僕は戦闘には向かないけれど… 生存している村人の救出を優先したい…」 果たして…どれくらいの…

【KADODE】90話 走っていたルピナスの足がふいに…

第90話 走っていたルピナスの足がふいに止まった僅かな振動で、リージは目覚めた。 「え…、あ…ここは?ルピナスさん…?」 リージの問いに、息を飲む気配で返事をしてるようだった。 リージが背負われている、ルピナスの肩越しから前を向くと… 小高い丘の頂上…

【KADODE】89話「僕だって…戦うんだ…!」

第89話 「僕だって戦うんだ!」 …とはいえ、僕には戦闘能力は無い… 以前村に数日滞在していた術士の教えと、本で得た拙い白魔術しか…取り柄は無い。 白魔術…と言っても、初歩中の初歩だ。 初歩の回復術と軽い状態異常を治す程度の力量… 消え入りたくなる自分…

【KADODE】88話 「急ぐぞ。しっかり捕まっておけ」

第88話 「急ぐぞ。リージ、しっかり捕まっておけ」 ルピナスの走るスピードが更に加速した。 リージは不本意ながらも、振り落とされないよう、ルピナスの背中にしがみ付く。 カドデは… 初めは懸命に自力で走っていたが、今はルピナスが見兼ねて小脇に抱え込…

【KADODE】87話 「黒煙を上げる村の上空に…何匹ものワイパーンが…」

第87話 「黒煙を上げる村の上空に…何匹ものワイパーンが飛んでいたんです…」 リージの声が苦しくそうに発せられる。 つい、数日前…ベテラン冒険者の一党がワイパーンを捕らえていた様子を思い出す。 怪物退治に精通した強者らが、数人がかりで協力し、やっと…

【KADODE】86話 未だ夜明けには届かず…

第86話 未だ夜明けには届かず、とっぷりと夜闇に覆われた道は昼間の熱が天へ還り、冷えた空気が広がっていた。 先程まで流していた汗が冷え、寒気を感じたリージだったが、ルピナスの背中に凭れながらポツリポツリと経緯を話しいく。 「…夕日が沈む頃には村…

【KADODE】85話 「ル、ルピナスさん⁈」

第85話 「ル、ルピナスさん…⁈」 軽々とルピナスに抱えられ、年頃のリージは動揺する。 (そりゃ…同年代ではかなりひ弱なほうだけど…) いや、今はそんな事考えてる暇は無い。 一刻も早く向かわなければ…! ルピナスはつい、と走り出す。 軽いとはいえ、あと1〜…

【KADODE】84話 リージは涙と嗚咽を必死に抑え…

第84話 リージは涙と嗚咽を必死に抑え、早急に伝えなければならない言葉を紡ぐ。 「…ルピナスさん…お願いです…助けて下さい!」 長時間走ってきたのだろう、リージの足はガクガクと震え、立ち上がる事すらままならない様子だが… それでも必死に再度走り出そ…