【KADODE】112話 自警団の団長をしていた父の…
第112話
自警団の団長をしていた父の壮絶な顔、言葉…
絶対に、古い虚のある大きな木へワイバーンを近付けさせまいと死力を尽くした。
「リージとて、単身で無事に助けを呼びに行け
たのは何故か…
自警団の彼らがワイバーンを引き付けていたからではないか?」
「…そうだ、僕ら…皆に守って貰ったんだよ」
村の全てを守れた訳では無いけれど…
守れたものもあったのだ。
「…う、うわぁぁぁぁ…!」
焼け果てた村の森に、リーサの胸を締め付けるような悲痛な慟哭が木霊した。
熱にうなされた大地を鎮魂するかのように、声は村に響く。
「お父さん…自警団の皆…
お母さん…お兄ちゃん…、、、」
村の生き残りの私が覚えているから。
ここに村があり、穏やかに暮らしていた事を。
大好きな村を、皆を守ろうと死力を尽くして戦った者達が居た事を…
「リーサ。
けれど、ここで終わりでは無い。」
ルピナスな淡々と声を発する。
「…自分が村に到着し、上空にいた3匹のワイバーンは仕留めた。
だが…
最初に飛来したワイバーンは5匹程だと聞く」
「…あ、、、」
仇は…まだ残っているのだ…
(113話へ続く)