【KADODE】113話 「仇は…まだ残っているのね…?」
第113話
「仇は…まだ残っているのね?」
ルピナスが村へ到着する前に村を襲撃し、興味を失い去って行った2匹がいた…
リーサの瞳に黒い、闇のようなものが宿る気がして、リージは慌てる。
「リーサ、飛んで行ったワイバーンなんて
探そうとしても見つからない!
無茶を考えるより、救われた命を大切にするべきだろう?」
「…、分かってる。
ワイバーン種なんて、幾らでもいるし…
村を襲撃したワイバーンをピンポイントで当てるなんて不可能…
…それに、折角命懸けで救って貰った命を大事にしない訳が無い!」
「…それじゃあ、都市にでも戻ろう…
あそこなら、住み込みで働ける口くらいあるはずだ…」
リージの言葉に、リーサは静かに顔を上げる。
何かを決意したような、強い面差しは
どこか生前の父に似ていた。
「この村のような惨劇を、繰り返してはいけない。
あのワイバーン供はまた…どこかの村を襲うわ…!
私は…強くなりたい。
強くなって、今度こそワイバーンをこの手で止めたいの!」
(114話へ続く)