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!!!5秒以上1分未満な物語!!!

ブログ小説第2弾です!今回は主人公がいますwずっと描きたかったテーマだったので…上手く表現できれば…と思います!

51話【KADODE】肩の上ではしゃいでいるカドデ…

第51話

 

ルピナスの肩の上ではしゃいでいるカドデなど…

リーサとリージは知るすべもないだろう。

 

 

そうで無くとも、店先に並んでいる見た事も無いような品の数々に目を奪われているのだ。

 

「お嬢ちゃん、どうだい?この髪飾り!お土産にも人気だよ!」

 

「うわぁ…綺麗!母さんのお土産に買ってこうかな?」

 

ともすれば、ルピナスの存在すら忘れかけている程だ。

 

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「…とと…!リーサ!買い物に夢中になってる場合じゃないぞ。

先ずは皆の待ち合わせ場所を決めないと…」

 

リージはなんとか冷静を取り戻し、リーサを諌める。

 

「はぅ⁈

そ、そうだったね!

ルピナスさんともはぐれたら大変だよね!」

 

「大通りをもう少し行った先…広場のようになってないか?

その辺待ち合わせにしよう」

 

人を掻き分けつつ、一行は大通りを進み開けた場所に着いた。

 

そこは大通りが十字に通る広い敷地で、馬車を停車させたり、旋回させたりする為の道や、また貸し馬車屋などがあった。

 

周りを道に囲まれた形の中央には、大きな噴水が鎮座していて、その付近には歩き疲れた人々が休憩できるようなベンチがいくつも並ぶ、公園のような空間になっていた。

 

「ここなら、落ち着けるし噴水も目立つから待ち合わせ場所には良いよね♫」

 

「これからどうする?」

 

カドデを肩から降ろし、噴水で遊ばせながらルピナスは2人に問う。

 

「勿論!ギルドへ行くよ!」

 

 

(52話へ続く)

50話【KADODE】人混みに押し潰されている…

第50話

 

一方、ルピナスは…

人混みに若干の躊躇はあるものの、黙々と歩く。

すれ違う人々を触れる事無く回避していく事は、ルピナスにとって労では無かった。

 

しかし…ルピナスの後ろからチョコチョコと歩く子供並みの身長しかないカドデにとっては難関らしく…

呆けながら歩くリーサやリージよりも歩調は遅れ…

 

「あうぅ…すいません、と、通して下さい〜

あう…!」

 

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すれ違う人が来る度にぶつかり、前後を歩く人には潰され…辟易とした様子だった。

 

そもそも無理も無い。

他者はカドデの姿を見る事は出来ないのだから…

いや、そもそもカドデは物質をすり抜ける事が出来るのでは…?

カドデの姿自体はホログラムに近い原理なのではと思うのだが…

 

幾多の時代を経た先にAI技術を極限に進化させ、辿り着いた果てが主プログラム…カドデという存在だ。

 

ルピナス自身、超高性能なコンピュータを内蔵しているが…

創造主になり得るカドデの思考技術まで到底踏破出来ないだろう。

 

そんな主プログラム、カドデは…

望めばいくらでもチート出来ように、

あくまで人間と同じ目線、同じ労力を使いたがった。

 

「カドデね、人間と同じようにしたいの!人間は人混みの中でもいっぱい歩くし、大変なのも楽しいの!」

 

「えへへ…カドデ、ちょっと人間ぽい?」

 

しかし…最早サンドバッグのようにヘロヘロになっているカドデを見兼ねルピナスは…

 

「自分の肩に乗れ」

 

…と、カドデをひょいと持ち上げた。

 

「う⁈ これ…これって、もしかして…

肩車?あう…初めてなの!

肩車!肩車〜!」

 

カドデはルピナスの肩の上で暴れるようにはしゃぐ。

 

「騒ぐな。落ちるぞ?」

 

 

(51話へ続く)

 

 

 

 

49話 リーサは上を見上げ口をあんぐり開けていた…

第49話

 

リーサは上を見上げ口をあんぐり開けていた。

 

「リーサ!田舎者丸出し!

恥ずかしいし通行人の邪魔だから、さっさと歩く!」

 

リージがリーサの腕を取り強引に引っ張っていく。

しかしリーサは未だに呆けている。

 

 

アクトス〜…四大都市が一つ、王都を囲むようにして点在する都市の中で西方に構える、国内最大の貿易拠点だ。

 

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隣国から続く、商用ロードの中継地としても、また巨大な港から無数の船で、海産物は勿論、他国からの様々な品が運ばれて来る。

 

街門から真っ直ぐに港まで伸びる大通りは、

人が真横に十数人並んで歩いてもまだ余裕がある程広く、馬車が駆けて行く横を多くの人々が通り、その通行人目当てに立ち並ぶ店屋は

声を掛け、商いは大いに賑わっていた。

 

「あわわわ…こんな人混み…見た事無いよ…」

「…確かに…凄い人だね!歩くのも大変だ…」

 

大通り左右にぎっしりと軒を連ねる店屋の2階や3階は、住居や倉庫として使っているらしく、人があくせくと動き回る気配がする。

 

賑わいは大通りのみならず、何ヶ所もある横道にも多種多様な店が見て取れた。

 

 

(50話へ続く)

【KADODE】48話 軽く飲み物だけ摂り、都市へ向かって歩き出す…

第48話

 

一行は朝軽い飲み物だけ摂って、早々に都市へ向かって歩き出す。

 

大都市周辺の街道は整備されていて、道幅も広く非常に歩き易かった。

1時間ほど歩いたところで…

 

「見て見て!うわぁ…大都市アクトスが見えてきたよ!」

 

「さすがに大きいね…3階建の建物だ…初めて見るよ!」

 

まだ、歩いて数十分はかかろう距離があるだろうが、遠くに聳える大都市アクトスはまるで山を臨むかのようなスケールだった。

 

「どうしょう?迷子にならないかな?」

 

「待ち合わせ場所を予め決めておこう」

 

リーサとリージはそわそわと、今にも走り出しそうな雰囲気だ。

 

街道沿いには、馬車の整備施設や問屋の巨大な倉庫など家屋が姿を現し始め、郊外だというのに既に賑わいを見せいた。

 

「街の外にも宿屋があるんだね!

良い匂い…食事も出してるんだぁ」

 

「閉門時間に間に合わなかった人のために…かな?

人もさっきより増えてきたね、リーサ!よそ見しながら歩いてるとぶつかるぞ」

 

街道は人や馬車でかなり混み合ってきた。

 

それに伴い道幅も更に広がり、前方に見える巨大な門が迫力を増してきた。

 

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「う、うわぁ!うわぁ!なんて大きな門なの…」

 

リーサが口をあんぐり開けて見上げる。

そこには、3階建の建物と同じくらいの高さを誇る街門が旅人を気圧するように出迎えていた。

 

 

(49話へ続く)

【KADODE】47話 濃紺に染め塗られていた空は白み…

第47話

 

濃紺に染め塗られていた空は白み、夜明けの澄んだ空気を楽しむような小鳥のさえずりを聞きながら一行は出発の準備に取り掛かっていた。

 

「ふゎぁ…まだ眠い…もう1時間くらいは寝たいところ…」

 

「開門は朝7時からだよ。

…早めに入って、ゆっくり都市観光したいだろ?」

 

リージのそんな言葉にリーサの寝ぼけ眼は吹き飛んだ。

 

「行きたい行きたい♫

朝食も都市で食べようよ!どんな美味しいのがあるかな〜?」

 

美味しい食べ物…と聞いて、未だ寝ていたカドデも起きだす。

 

「…確かに都市には珍しい料理もあるだろうけど…あんまり高いのはダメだぞ?

村の皆へのお土産も買わないとだし…」

 

日頃、冷静沈着なリージもまた心なしか浮かれているようだ。

 

「分かってる、分かってる♫

リージは都市にある図書館行くのが楽しみなんでしょ〜?

あぁ…なんだかドキドキしてきた!

私達、田舎者に見えないかな?」

 

「本当に田舎者だろ?僕達…」

 

2人の会話は今までに無いほど弾んでいた。

年齢の事はさほど気にせず旅を共にしてきたが…

本来の年相応な、無邪気さを垣間見た気がした。

 

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ルピナスはふと、思う。

 

自分にも、こんな無邪気だった世代はあっただろうか?

 

否…

感情を抑制する薬を飲まされ、人と会話する事を極力禁じられ…

人間らしい少年時代を過ごした記憶は無かった。

 

そして未だ感情豊かとは言えないルピナスだが…

この場の空気は悪くはないと、漠然と思う自分がいた。

 

 

(48話へ続く)

【KADODE】46話 冒険者らと別れ…

第46話

 

冒険者らと別れ、更に半日歩き…

四大都市であるアクトスが目前に聳えるも、

今日はここで野宿をする。

 

「あぁ〜あ…もぅちょっと歩けばアクトスだってのに〜!今日も野宿かぁ…」

 

「文句を言わない!

都市の門は夜8時には閉まるらしいし、どのみち間に合わなかったよ。

それに、無理して入っても宿に泊まる金まで持って無いだろ?」

 

「…そうだった…明日朝から都市に入っても、夕方には帰らなきゃ、なんだよねぇ」

 

「まぁ、今回はただの都市への見学だよ。

無事に村へ帰れたら父さん達も少しはリーサを見直すと思うぞ?」

 

焚き火を囲み、軽い食事をとりながらリーサとリージは相変わらず会話が絶えない。

 

冒険者らと会ってから、何となく静かだったように感じたカドデも、野宿を楽しみはしゃいでいる。

 

「焚き火の炎キレイだね〜♫

干し肉美味しそう〜!」

 

冒険者らと会って人見知りでもしたのだろうか。

炎に浮かぶ無垢な横顔は、この世界を創造した主プログラムとは思えないほど幼く見えた。

 

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明日、都市のギルドを訪れ更に情報収集をする。

怪物の事、国王の事…

情報を集めたとて、すぐに異変を解決できる訳は無いが…

カドデが苦しまないよう…

世界を正常に戻したいと…カドデの横顔を見ながら思う。

 

 

(47話へ続く)

 

 

【KADODE】45話 国王が…怪物を回収している?

第45話

 

「国王が…怪物を回収している…?」

 

この世界の異変の発端…

突然即位した国王…

 

影を潜めていたキーワードが急浮上する。

 

「ル、ルピナスさん?」

 

普段は気配を消しているような静かなルピナスの気が鋭くなった事に周囲は驚く。

 

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「なぜ、国王が…生かして怪物を欲する…?」

 

「ほ、本当にただの噂よ…?

王都に怪物を輸送するっての、見たって人がいるらしいけど…」

 

「王都かぁ…」

 

「やはり…王都に何かあるのか…」

 

「と、とりあえずルピナスさん、王都までは遠いです。

まずは、四大都市のギルドで少しでも情報を集めましょう?」

 

リージが落ち着かせるように話す。

 

「ああ、そうだな。

予定通りそうしよう。」

 

国王と怪物…何か関係があるのか…

この冒険者らとの出会いで貴重な情報収集ができた。

 

「色々ありがとうございました!

お話し聞けて…良かった!

またどこかでお会いしたいです…えぇと…」

 

「あぁ…私ったら…まだ自己紹介してなかったのね!

私はフレア。

また会いましょうね、リーサちゃん!

ルピナスさんやリージ君も元気で!」

 

「はい!フレアさんも…」

 

冒険者らは、生け捕りにしたワイバーンを都市外れにある収容所へ持って行くという。

ルピナスらは、そのまま真っ直ぐ都市正門へ続く道へ進む。

 

リーサ姉弟は未知の大都市への見学へ。

ルピナスは、世界の異変を調べる情報収集へ。

 

それぞれの目的が少しずつ進行していく。

 

 

(46話へ続く)