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!!!5秒以上1分未満な物語!!!

ブログ小説第2弾です!今回は主人公がいますwずっと描きたかったテーマだったので…上手く表現できれば…と思います!

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

【KADODE】108話「こっちからリーサの声が聞こえる…」

第108話 「こっちだ。 こっちから、リーサの声が聞こえる…」 抑揚の無い静かなルピナスの声が、リージの耳に届くと同時に リージは頭で考えるより先に足が動いていた。 様々な事が重なり震え、力を宿さなくなった足を、無理矢理叱咤し動かせる。 ルピナスの…

【KADODE】107話 「なんで…何で…」

第107話 「なんで…何で…」 リージの震える唇は、そう紡ぐばかりだった。 父は愛用の大斧を握り締めたまま絶えていた。 帰宅したリーサから返却されたのだろう。 では、リーサはどこに? 村の近くで、リージを救援へ向かわせて 自らは村へ行ってしまった。 探…

【KADODE】106話 村の中を歩く程…

第106話 村の中を歩く程、悲痛で砕け落ちそうになる気持ちを… それでも繋ぎ止め、足を前進させる。 ほんの僅かだが、希望があった。 村の誰かが生き残っている… それに縋るように村外れまで歩いて来たが… リージの歩みはついに止まってしまう。 村の外れには…

【KADODE】105話 リージにとって村人全員が親戚のような…

第105話 リージにとって村人全員が親戚のような存在だった。 …だから、分かってしまうのだ。 見慣れた家々の… 変わり果てた瓦礫の下から覗く手足の主を。 ある者は下敷きに…ある者は黒炭と化し… 皆…つい数日前まで元気に言葉を交わしていた者達だ。 街へ行く…

【KADODE】104話 「急いで助けましょう!」

第104話 「急いで助けましょう!」 リージは未だ震える膝を叱咤しながらルピナスに近づく。 辺りを見渡したが…人の声は聞こえない。 聞こえるのは炎の燃える音や、炭と化した家屋の崩壊する音… 「…どの辺から…人の声が…?」 「こっちだ。…リージ、歩いて行け…

【KADODE】103話 「人間だ。人間の声がする…」

第103話 「人間だ。人間の声がする…」 突拍子も無いセリフだが… リージにとっては、こんな嬉しい言葉は無かった。 「本当ですか⁈ この村の生き残り…⁈ 声は何人ですか?」 堰を切ったように捲し立てるリージとは反対に あくまで冷静な声でルピナスは応じる。 …