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!!!5秒以上1分未満な物語!!!

ブログ小説第2弾です!今回は主人公がいますwずっと描きたかったテーマだったので…上手く表現できれば…と思います!

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

【KADODE】91話 「行くぞ。村に着いたら戦闘になる…」

第91話 「…とにかく向かってみるぞ。 村に着いたら戦闘になる。 動けそうか?」 黒煙や炎にも動揺した感の無いルピナスが冷静に言葉を発する。 「…大丈夫です! …僕は戦闘には向かないけれど… 生存している村人の救出を優先したい…」 果たして…どれくらいの…

【KADODE】90話 走っていたルピナスの足がふいに…

第90話 走っていたルピナスの足がふいに止まった僅かな振動で、リージは目覚めた。 「え…、あ…ここは?ルピナスさん…?」 リージの問いに、息を飲む気配で返事をしてるようだった。 リージが背負われている、ルピナスの肩越しから前を向くと… 小高い丘の頂上…

【KADODE】89話「僕だって…戦うんだ…!」

第89話 「僕だって戦うんだ!」 …とはいえ、僕には戦闘能力は無い… 以前村に数日滞在していた術士の教えと、本で得た拙い白魔術しか…取り柄は無い。 白魔術…と言っても、初歩中の初歩だ。 初歩の回復術と軽い状態異常を治す程度の力量… 消え入りたくなる自分…

【KADODE】88話 「急ぐぞ。しっかり捕まっておけ」

第88話 「急ぐぞ。リージ、しっかり捕まっておけ」 ルピナスの走るスピードが更に加速した。 リージは不本意ながらも、振り落とされないよう、ルピナスの背中にしがみ付く。 カドデは… 初めは懸命に自力で走っていたが、今はルピナスが見兼ねて小脇に抱え込…

【KADODE】87話 「黒煙を上げる村の上空に…何匹ものワイパーンが…」

第87話 「黒煙を上げる村の上空に…何匹ものワイパーンが飛んでいたんです…」 リージの声が苦しくそうに発せられる。 つい、数日前…ベテラン冒険者の一党がワイパーンを捕らえていた様子を思い出す。 怪物退治に精通した強者らが、数人がかりで協力し、やっと…

【KADODE】86話 未だ夜明けには届かず…

第86話 未だ夜明けには届かず、とっぷりと夜闇に覆われた道は昼間の熱が天へ還り、冷えた空気が広がっていた。 先程まで流していた汗が冷え、寒気を感じたリージだったが、ルピナスの背中に凭れながらポツリポツリと経緯を話しいく。 「…夕日が沈む頃には村…

【KADODE】85話 「ル、ルピナスさん⁈」

第85話 「ル、ルピナスさん…⁈」 軽々とルピナスに抱えられ、年頃のリージは動揺する。 (そりゃ…同年代ではかなりひ弱なほうだけど…) いや、今はそんな事考えてる暇は無い。 一刻も早く向かわなければ…! ルピナスはつい、と走り出す。 軽いとはいえ、あと1〜…

【KADODE】84話 リージは涙と嗚咽を必死に抑え…

第84話 リージは涙と嗚咽を必死に抑え、早急に伝えなければならない言葉を紡ぐ。 「…ルピナスさん…お願いです…助けて下さい!」 長時間走ってきたのだろう、リージの足はガクガクと震え、立ち上がる事すらままならない様子だが… それでも必死に再度走り出そ…

【KADODE】83話 足を引きずり、縺れ…

第83話 足を引きずり、縺れ… 今にも倒れ込みそうな満身創痍な人影… 「リージ…!いったい、なぜここに?」 ルピナスの静かな低い声を聞いた途端、 足を引きずる人影はついに地面へ崩れ落ちる。 ゼィ、ゼィ…と荒く息を吐きながらも懸命に言葉を紡ぐ。 「…ル、…

【KADODE】82話 心臓が壊れるかと思う…

第82話 心臓が壊れるかと思う。 今までの人生の中で…こんなに走り詰めた事は無いだろう。 元々文系派の自分は、運動する事も苦手だ。 これが、ただの運動や訓練なら…とうにリタイアしてる筈だ。 しかし… 今は走らなければいけない。 一刻でも早く…伝えなけれ…

【KADODE】81話 「カドデ起きろ…」

第81話 「カドデ、起きろ…」 低く囁くような静かなルピナスの声に「ふぇ…?」と、カドデは間の抜けた幼子のような仕草で、目を擦りながら起きる。 「もう朝…?都市に行く時間?」 「いや、明けるにはまだ時間はあるが… 誰かが近付いて来るようだ… 用心の為に…