【KADODE】84話 リージは涙と嗚咽を必死に抑え…
第84話
リージは涙と嗚咽を必死に抑え、早急に伝えなければならない言葉を紡ぐ。
「…ルピナスさん…お願いです…助けて下さい!」
長時間走ってきたのだろう、リージの足はガクガクと震え、立ち上がる事すらままならない様子だが…
それでも必死に再度走り出そうと、疲弊しきって動かない己の足を叱咤する。
「…分かった。
案内しろ。移動しながら詳細を聞く。」
ルピナスの返事を聞いたリージはまた目に涙を溜める。
泣いている場合ではないのに…
一刻も早くリーサと合流しなければならないのに…
体よ、動け…!
休んでる余裕など無いのだ…
そんな満身創痍なリージの体が
不意に中へ浮く。
否、ルピナスの腕にひょいと持ち上げられたのだ。
「…あ…⁈ 」
気が付けば、リージはルピナスの背中に背負われていた。
(85話へ続く)