53話【KADODE】とにかく一行はギルドを目指す…
第53話
とにかく一行はギルドを目指す。
しかし、広大な都市をただ歩き回るだけでは、見つけようが無い。
そこで、近くにいた乗合馬車の職員に道順を聞く。
「ギルド…ねぇ。ああ、勿論聞いた事はあるよ。
ええと…南の方の外れにあったと思ったなぁ。」
「南の方、ですね!ありがとうございます!」
「そっちの方行ったらまた誰かに聞いてみるといい」
都市に住んでいる人間とて、全てを把握している訳では無いらしい。
一行は、十字に交差する大通りを南へ向けて歩きだす。
「へぇ…街門からの大通りは店屋さんが凄い並んでたけど…
こっちの方は倉庫や事務所?みたいな建物が多いみたい!」
「買い物や観光客向きの店屋は少ないって事か…」
「あ!見て見て!あの人…あの格好!冒険者さんっぽくない⁈」
「ああ、そう見えるね!あの人に聞いてみようか…」
「ああぁ〜!どっか角曲がってっちゃった…
他の誰か…いないかなぁ?」
リーサがキョロキョロしていると背後から声をかけられた。
「何かお探しですか?」
国政を司る文官の装束に似た出で立ちの中年に差し掛かった気の良さそうな男性が声を掛けてきた。
(54話へ続く)