52話【KADODE】大都市の雰囲気に飲まれていたリーサも…
第52話
大都市の雰囲気に飲まれていたリーサも、ようやく落ち着きを取り戻し、この街へ来た目的を振り返る。
「ええと、先ずはこの街にあるギルドへの見学ね!
同時に怪物についての情報も聞いてみる…と!」
「国王についての情報もだ。」
ルピナスの目つきも鋭くなる。
「…けど、王様について…なんて、
そう易々と答えてくれる人はいるかな?
下手すれば、不敬罪になるかもしれない…
まして、国が統括してるギルドの職員が
変な噂なんて言う筈ないかと思うよ」
リージはどんな時でも冷静だ。
「ん〜…冒険者さんなら…少しくらいは話してくれそうだけどなぁ…
せめて職員さんの目の無い所でなら…」
「…酒場とか覗くか?
酒の勢いでなら、噂話くらい話してくれるかも」
「さ、酒場⁈
冒険には付き物だよね⁈ 憧れてたの〜!」
リーサは目を輝かせるが…
「でも、僕達はまだ未成年だから入店拒否されるかもだなぁ」
「え〜!私、そんなお子様に見える⁈」
「実際、お子様だろ?」
顔を真っ赤にしてリーサは膨れるが…
ルピナスは一時思案して。
「酒場には自分だけ行こう。
元々これは、自分の事情だ。
2人はその間、土産でも見ているといい。」
(53話へ続く)