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!!!5秒以上1分未満な物語!!!

ブログ小説第2弾です!今回は主人公がいますwずっと描きたかったテーマだったので…上手く表現できれば…と思います!

【KADODE】23話「騎士様でもないの?」

第23話

 

「え?騎士様でもないの?…じゃあ…誰?」

 

「…ただの流浪民だ。

少し前にこの世界で異様な光景を見た。

それが気になり、調べている。」

 

当然、一般民に本当のことなど言える筈もない。

言葉を濁しながら話しを進める。

 

「異様な光景って??」

 

村の少女が更に前のめりになりながら質問責めしてくる。

 

「素朴な風体の男が急に王…金持ちのような姿になったのを見たような気がしたのだ。」

 

「えぇ〜⁈ 姿が変わったの?

そんな事ってある⁈」

 

「……

…いや、定かでは無い。

だから調べようと…」

 

と、ふいに自警団団長の奥方が話しに割り込んできた。

 

「…そういえば…

何でも一つだけ願いを叶える事ができる悪魔がいる…と、お伽話にはありますけどね。

まさかね…ふふ」

 

「…願いを叶える悪魔…

やはり、伝承は世界に浸透しているのか?」

 

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「って、旅の方!お伽話ですよ、

そんな悪魔がいたら大変です!」

 

村人一同は和やかに笑う。

 

「あら、でも先月亡くなった曾祖母様は

少し前までこの地域は共和国だったのに、急に王国になったと騒いでいたのよ?」

 

「婆さんもう何年も前から呆けてたからなぁ…急に王国になったって…

そんな記憶無いぞ?」

 

「…うぅ…」

 

それまで、大人しく座っていたカドデが

苦々しく唸る。

 

「どうした?」

 

「カドデの記憶も曖昧だけど…

ここ、王国じゃ無かった気がするよぅ…

変だなぁ?

いつ変わったのかなぁ?

…うぅぅ…カドデ…頭痛い…」

 

バグの影響か…カドデは苦しんでいるようだ。

この子の存在自体、不確かなものだが…

カドデが真に主システムで、

カドデの話しを信じれば…

 

突如王国は作られ…カドデ含め人々の記憶と共に塗り替えられた。という事実が真実になる。

 

そんなバグが発生するものなのか?

 

嫌な予感がした。

 

このバグが…

人為的なものだったとしたら?

 

願いを叶える悪魔…

 

もし、そんな悪魔の存在が事実で

その悪魔から願いを授けられたら?

 

 

背筋にヒヤリと黒い風が吹いた心地がした。

 

 

(24話へ続く)