【KADODE】16話「痛かったよぅ…タンコブいっぱいできた〜」
第16話
「痛かったよぅ〜!タンコブいっぱいできた〜」
子供は涙目ながらも力強く立ち上がった。
「あ!侵入者さんだぁ!怪物倒してくれたの?」
「…お前は…やはり主システムのKADODE…なのか?」
「そだょ〜!侵入者警報があったから、降りて来たんだけど…目の前に怪物に襲われてる人間がいたから助けたの!」
「そうか…
自分はこの世界の…敵ではない。少し調べたい事があり世界へ潜入を試みた。
主システムに発見されたのなら、一先ず退去するが…
それでも、自分を追随し攻撃するのなら応戦するが?」
KADODEが全力で侵入者…自分を攻撃してきたら…無事で帰還できる保証は無いが…
「攻撃はしないよ!
だってお兄ちゃ悪い人じゃないみたいだし♫
カドデが作ったこの世界を気に入ってくれたら嬉しいな♫」
意外過ぎる反応に言葉が詰まる。
カドデはニコニコと踊るようにふわふわ身振り手振りしながら話す。
「……つまり。
自分が暫しこの世界に留まる事を許可するということか?」
「うんうん♫カドデがこの世界、案内したげるね!いっぱい良い所あるんだよ!」
「…そうか…
しかし、その前に聞きたい事がある。
…先程の…異形の怪物は…
元々、組み込まれていた存在なのか?」
「うぅ…」
「自分は現実の世界で、この施設の守護を任されている。
近年…このシステムのモニターから異常を発見したのだ。
…問題無い程度の事なら構わないが…
その有無を調査しに来た。」
「えと…あのね…
異常は…あると思うの…
怪物も、私が作ったものじゃ無いの…」
「KADODEが作り出したものでは無い?
どういう事だ?」
「分からないの…
カドデね、部分的に記憶が無いの…」
「ぼーっと、して…気が付いたら世界のあちこちに怪物が出現してたの…」
「それにね、カドデ…
前みたいに力が出なくて…」
(17話へ続く)