【KADODE】85話 「ル、ルピナスさん⁈」
第85話
「ル、ルピナスさん…⁈」
軽々とルピナスに抱えられ、年頃のリージは動揺する。
(そりゃ…同年代ではかなりひ弱なほうだけど…)
いや、今はそんな事考えてる暇は無い。
一刻も早く向かわなければ…!
ルピナスはつい、と走り出す。
軽いとはいえ、あと1〜2年で成人する少年を背負っているとは思えない身のこなしだ。
かなりなスピードがでているのに、身体を激しく動かしているようには感じられない。
そしてルピナスは走りながら、息切れする事もなく低く静かに今までの経緯を問う。
「…お前達の故郷の村へ向かえばいいのだな?」
「…はい。」
何となく事態を予感しているルピナスの言葉にリージは意を決して話し始める…
(86話へ続く)