【KADODE】69話 「ありがとうこざいます、ルピナスさん」
第69話
「感謝します、ルピナスさん。
リーサと2人では少々野宿時の戦力に不安があったので…」
遠慮がちなリージのセリフと、満面の笑顔の反比例にリーサはクスリと笑う。
別れが数時間先延ばしになっただけ、だったが…
それでもルピナスとの思い出が増えることに変わりは無い。
「あぁ〜泣いたら、お腹空いちゃった!
ねぇ、夕飯ちょっと早いけどここで食べてかない?」
「…そうだね、予算…なんまり無いけど
早めに夕飯食べて、早めに街門出ようか?」
帰りの道のりが気重だったはずの2人だが、今は笑顔に変わっている。
「やったぁ♫私、お店でご飯食べるなんて初めて!な、何頼もうか⁈」
2人が急に笑顔になったのをキョロキョロ見ながらカドデも一緒に笑顔になる。
リーサとリージがいそいそとメニュー表を見ているのを行ったり来たりカドデも飛び跳ねながら覗き見る。
「ルピナスさんは何がいい?」
「自分は何でもいい。」
「リーサ、余り高いのはダメだぞ?」
2人は財布の残高を数えながらも、目一杯注文した。
(70話へ続く)