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!!!5秒以上1分未満な物語!!!

ブログ小説第2弾です!今回は主人公がいますwずっと描きたかったテーマだったので…上手く表現できれば…と思います!

【KADODE】77話 「リーサ、準備はいいか?」

第77話

 

「リーサ、準備はいいか?」

 

「…うん…」

 

東の空がやっと白み始めた早朝。

辺りはまだ、夜の気配を残し寒々としているが

天上は雲ひとつない晴天が広がる。

 

ここから、丸一日近く歩き倒すには良い天候だが…

リーサはやはり、曇天のような表情だった。

 

「ほら、ルピナスさんに挨拶して…

出立するぞ!」

 

中々ルピナスの前から動こうとしないリーサだ。

ついには、鼻声になる。

 

「…うぅ…ルピナスさん…」

 

「道中気を付けろ。」

 

「うん…」

 

2人には見えないカドデもルピナスの背に隠れながら涙目だ。

 

ルピナスさん…手紙…書いてね。

村の住所…メモしといたから…」

 

「ああ、落ち着いたら…いつか訪ねるのもいいな」

 

「え⁈本当?村へ遊び来てくれる?」

 

「落ち着いたら…な、いつになるか分からないが…」

 

その言葉だけでリーサは一歩前へ進む元気が出たようだ。

 

「うん!きっとだよ…!」

 

一歩、また一歩…2人の姿が遠ざかる。

 

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こんなに…人と長く接したのは初めてだった。

 

人間が嫌いだった。

分かり合おうとも思わなかった…

 

けれど…

 

分かり合いたいと…思える人間もいるのだと…

 

この、たった数日でルピナスに新しい心が灯った…そんな感じがした。

 

「また、2人に会いに行こう」

 

口の中で小さく囁き、ルピナスも踵を返す。

 

 

(78話へ続く)