【KADODE】71話 「ん〜〜!美味しい!」
第71話
「ん〜〜!!美味しい!!」
リーサが唸りながら顔をくしゃくしゃにする。
「この、南方野菜…食感がプチプチするよ!
果実のドレッシングも甘酸っぱくて合う!」
「鴨肉も柔らかいね。まるで…本で読んだ宮廷料理みたいだ…」
リーサとリージが感動で騒いでいる。
ルピナスも料理を食べる。
「美味しい」と、感想を述べるには味覚への心の豊かさがまだ足りていない…
ただ、色々な味が口から押し寄せる事象だけは興味深かった。
「…、、ふわぁ…食べた食べたぁ〜!あっというまだったよ」
「リーサ、ガツガツ食べ過ぎだろ?」
「いいじゃない!ちゃんと美味しく食べたんだから」
何はともあれ、2人共満足しているようだ。
「さぁ…街の良い思い出も出来たし!
帰ろうか…」
随分と名残惜しげだが、リーサが気持ちを切り替えて言う。
「財布もすっかり空になったしね。」
「リージこそ、やり残した事無いの?
買いたがってた本は買えた?」
「ああ、ちゃんと買ったよ。
…まぁ…いつか、もう一度この街来た時は…
ゆっくり1日かけて街立図書館行きたいけどね」
「ふふっ、リージらしい!」
料理の代金を支払い、酒場を出る…
(72話へ続く)