59話【KADODE】ギルド内は混み合っていて…
第59話
ギルド内は混み合っていて、数ヶ所ある窓口も人の行列でいっぱいだった。
「うぅ〜ん…何ていうか…
ゆっくりギルドや冒険者について聞ける感じじゃないなぁ…」
大きな掲示板に集まる冒険者や、窓口へ向かう人達は皆、忙しそうで、この建物内には明らかに違う空気感のリーサ一行に悠長に声を掛けてあげる余裕など無さそうだった。
「…それに…皆さん怖そうな顔してるし〜
…あぁ〜、冒険者のフレアさん来ないかなぁ」
「大きな街だし、そんな奇遇なこともそうないよ。
…とりあえず…そろそろ冒険者達から邪魔だと文句来そうだし、一旦外出てみよう。」
リージがため息をつきながら言うと、リーサも仕方無しと後に続く。
一行はギルドの建物外の人通りの少ない一角で一息つく。
「…これからどうする?
私も、もうちょっと冒険者のシステムとか体験談とか聞きたいけど…
何より、ルピナスさんの情報収集があんまり捗って無さそうだよね…」
「リーサの事はいいとして。
…確かにルピナスさんは…
どうします?
僕らは、もう数時間街の見物したら…閉門前には街を出て村に帰る予定です。
ルピナスさんは…」
久々に自分へ話しを振られる。
(60話へ続く)