58話【KADODE】「なるほど、冒険者も腕っぷしだけの…」
第58話
「なるほど…さすがに冒険者も腕っぷしだけのならず者って訳にはいかないんですね…」
リージが感心したように言うとリーサは…
「リージ!あなたも冒険者に興味湧いてきたの?
「…僕は冒険者に興味持ったんじゃなくて、ギルドのシステムがしっかりしてる事に感心してたんだよ。」
「え〜…
まぁ、確かに…リージは冒険者ってより、ギルド職員向きよね〜」
そんな姉弟の会話を聞いて、ギルドの職員は
「おやおや!未来の同僚さんですか…!
お姉さんは冒険者、弟さんはギルド職員…
中々素敵ですね〜♫」
など、冷やかしてくる。
「職員さん…僕は出来れば学者になりたいんですよ。
ギルド職員は…ちょっと…」
「リージ!職員のお兄さんに失礼じゃない!」
「いやいや!色々な夢を持つことは素敵だよ!
…僕も昔は…、、、」
「…ん?」
「…ああ、いや、何でも無いんだ。
…じゃあ、僕もそろそろ昼飯食べて仕事に戻らないといけないからね、この辺で…」
「あ!そうでした…案内してくれたり、色々教えてくれて…本当にありがとうございます!」
「未来有望な若者たちと話せて…僕も良かったよ!
見学だけなら自由だから…ゆっくりギルド内見て行くといい…」
「それじゃ…」…と言いながら職員は奥の部屋へ行ってしまった。
「またあの親切な職員さんに会えるといいなぁ」
(59話へ続く)