57話【KADODE】ギルド支部の建物の中…
第57話
国家が組織作りを後押ししたギルド…その4ヶ所あるうちの一つ、貿易都市アクトスのギルド支部…
その建物の中もまた、重厚であった。
さながら、都市の役所か大銀行並みの造りで、趣きのある窓口は十数ヶ所横に並び、
エントランスもまた広く造られている。
そのエントランスの正面壁には、横長の大きな掲示板が掲げられていた。
掲示板は…言う迄もなく、ギルドに所属している冒険者が依頼を確認する為のものだ。
各依頼の種類、難易度によってカテゴリに分けられて貼り出されている。
「冒険者は先ず、この掲示板の依頼を見て窓口で応募するのですよ。
窓口で審査が通れば、一部前金を得て出立します。」
「…なるほど、審査かぁ…
あ、でも…そもそも、どうやって冒険者認定できるんですか?」
「窓口の一番奥…そこに冒険者申請口があるんです。
そこで、必要な書類を書き…書類審査をします。
身の上が確認でき、問題が無いようなら二次審査…次は能力審査をします。
要は、実力ですね。
そこで合格できたら、晴れてギルド認定の冒険者になれ、ギルドが受けた依頼の仕事を請け負う事ができるんです。」
職員の熱心な説明に、リーサのみならずリージも真剣に聞き入る。
「…なるほど。冒険者も腕っぷしだけのならず者って訳では無いんですね」
(58話へ続く)