55話【KADODE】私くらいの年でもなれるって事⁈
第55話
リーサのおさげ髪がピンと跳ね上がった。
「私くらいの年でもなれるって事⁈ 」
しかし職員はやんわりと言う。
「ええ…ですが、本当に希なケースですけどね。
親が既に冒険者に近い職業をしてたりとか、身寄りが無く幼い頃から戦闘訓練を受けていた孤児とか…」
「…うぅ…」
「大概は憧れはあっても里のご両親の反対で勝手にはなれません」
「うぅ…ぅぅ…」
リーサのおさげ髪シナシナと垂れ下がる。
「ほらな、リーサ。
皆、周囲が心配して反対するものなんだ。
ウチの親だけが特別過保護な訳じゃない。」
「…分かってるよ…」
しょんぼりするリーサを見て職員もどうにか元気付けようと語る。
「…ですが、立派な成人となり、心も肉体も鍛えていれば…周囲の見る目も変わってくるのでは無いですか?
冒険者に限らず、城の兵士なども人気の職業なんですよ!」
「…そっか…そうよね!
冒険者に限らず、私の未来は色々可能性あるって事よね!」
「まぁね、ホラ!その為の街の見学だろ」
「うん!冒険者になる事だって…まだ諦めては無いんだから!
ギルドで色々、見学するぞ〜!」
職員がニッコリと微笑み、指を指す。
「さぁ、ここがギルドです!
国王から拝命した…組織。未知なる事案への探査や討伐、民間人の依頼への窓口。
まぁ…ザックリ言えば何でも屋窓口…ですね!」
(56話へ続く)