【KADODE】40話 冒険者パーティの陣形の周囲には…
第40話
ワイバーンに対する冒険者パーティの陣形の周囲には、薄っすらとドーム状に輝く光が見えた。
陣形の中央に居る神官装束に身を包んだ人影は、杖を抱き、祈りを捧げているようだ。
弓手が数度矢を放ち、見事、翼の付け根に命中させ、ワイバーンは体制を崩す。
高度を下げたワイバーンにすかさず、剣士が自慢の大剣を振り下ろす。
「うわぁ!うわぁ!勝負ありだ〜!!
カッコ良い!」
「見事な連携だね、どうやら出会ったのは熟練の冒険者らしい」
「え〜?…熟練じゃない冒険者は…
どうなるの?」
「…下手すると、そもそも弓手をパーティに入れてない。
故に空中の敵への攻撃手段が無い。
…攻撃系魔法を沢山使える人物がいればまた違うが…
ひよっこ魔法使いでは、竜系の高い魔法防御で致命を与えられない」
「うぅぅ…
ひょっとして…私達が今、ワイバーンに襲われてたら…だいぶピンチだった?」
「大ピンチだな。
弓手も魔法使いも居ない、せいぜい僕のシールドくらい、地上戦なら…ルピナスさんが戦力になってくれるだろうが…
リーサは戦力外だしな?」
「あ、あ、酷い!私だって父さん直伝の斧があるんだから!」
「……
…、、サイクロプスに全く歯が立たずに泣いて逃げて来たくせに…」
「〜〜〜!!」
リーサは顔を真っ赤にしながらも言い返せないらしい。
(41話へ続く)