【KADODE】32話 「う、うわぁ♫」
第32話
「う、うわぁ♫ルピナスさんが声かけててくれた!」
“武器はしまえ、周囲に気を付けろ…”と、
指示しただけだったが…
思ってもみない反応だった。
「ルピナスさん、ホント無口だから…
私達が旅…一緒に付いて来ちゃった事…
良く思ってないかなぁと思ってたの…」
「…いや。互いに交換条件だしな…」
「リーサ!あんまり喋り過ぎると本当に呆れられるぞ?」
「あ、うん、そうよね…
…って…あああ⁈
そぅ!さっきルピナスさん…私の事名前で…
うわぁうわぁ♫」
弟に諌められたばかりなのに、更に騒がしくなる。
ピョンピョン跳ねて…カドデのようだ。
「名前、違っていたか?」
「ううん!私はリーサよ♫
名前呼ばれるなんて思ってもみなかったから!
…こう…旅の仲間になれたって感じ!!」
「… … 」
…いや…ただの便宜上…
思いかけた時、横からすかさず
「旅の仲間!!いっぱい素敵だね〜♫」
小さいのまで周りでチョコチョコ飛び跳ね出した。
言うまでもなくカドデだ。
姉弟には聞こえないだろうが…物凄くうるさい。
「リーサ!騒いでると怪物が寄って来てしまうぞ!」
弟リージの喝で何とか収拾する。
むしろある意味…弟リージが同行してくれた事に心強さを感じるルピナスだった。
(33話へ続く)