【KADODE】28話「カドデはね、ユーレィなんだと思うの〜」
第28話
「カドデはね、ユーレィなんだと思うの。
ホントのユーレィじゃないけど、似てると思う♫」
ユーレィ…とは、いわゆるゴーストの事だろう。
「なぜそう思う?」
「この世界の物は触れないし、姿も普段は見えないし…
んと、けどポルターガイストはできるんだょ〜♫
雷を落としたり、風を起こしたり…雨を降らせたり♫」
…それは…
どちらかと言えば、神に近い…と言う位置付けでは…
一応、この世界を作り上げている主プログラムなのだから…
と、ルピナスは思ったが…
己を神の位置に考えてるなど、微塵も伺えないカドデだ。
「リーサちゃんとリージ君の事はカドデがいっぱい守るからね!
お母しゃん、お父しゃん安心してね♫」
バクの所為で本来の力が出せないカドデが…
それでも必死の顔付きで声を張る。
もし…カドデのこんな姿を村人達が見ることが出来たら…
皆どんな反応をするのだろう?
自警団団長は呆れ顔になって、その奥方は微笑ましく笑うだろうか…
そんな、取り留めもない事を考えるルピナスだった。
「カドデは…座敷わらしに似ているな。
ニホンという国の伝説の妖怪だか、童神だかだったか…?」
人に聞こえない程度に呟く。
口に出して、ルピナスは少し可笑しくなった。
これもまた、人に気付かれない程度に
小さく小さく笑った。
(29話へ続く)