【KADODE】29話 自警団のメンバーや家族も巻き込んで…
第29話
家族はもちろん、自警団のメンバーも巻き込んで、リーサ達の旅の準備に取り掛かる。
「リージ、貴方はお腹壊しやすいのだから、お薬持っていきなさい」
奥方が甲斐甲斐しく荷物にあれやこれやと詰め込んでいく一方、
父である自警団団長は…
「リーサ!こんな小さな斧を使う気か⁈
万一、賊に襲われでもしたらどうする⁈
…こっちの斧を持って行け!」
「え⁈ 父さん…それ、この間新調したばかりの斧じゃない⁈
…いいの?」
「武器が良ければ未熟なお前でも少しは役に立つだろう。
リージは治療師だ、戦闘は出来ないから…
お前が万一の時には頑張るのだぞ。
無論、不利だと思ったら、リージの助言を聞いて即座に逃げろ!」
「うん、分かってる。絶対無理はしない!」
「リーサ嬢ちゃん、何かあったら必ず引き返して下さいよ?
この村の近くなら…俺らが絶対倒してやりますから!」
「母さん…この荷物は…やっぱり多過ぎだよ」
家から出て来たリージは巨大になった荷袋を背負っていた。
「そうよ!王様の御幸じゃないんだから〜
私達徒歩で向かうんだよ?」
「う〜ん…そうねぇ…
さすがに多い?でも、皆必要な荷物なのよ…」
「数日で帰ってくるんだし、着替えなんて一枚でいいよ!食料も片道分で平気よ。
街に着いたら調達するわ♫」
まだ見た事がない街を想像してリーサはニヤける。
「さて、準備は整ったか?出立するぞ」
痺れをとうに切らしていたルピナスが
出立を宣言する。
(30話へ続く)