UA-125421985-1

!!!5秒以上1分未満な物語!!!

ブログ小説第2弾です!今回は主人公がいますwずっと描きたかったテーマだったので…上手く表現できれば…と思います!

【KADODE】30話「準備は出来たか?」

第30話

 

「準備は出来たか?出立するぞ」

 

皆で村の門の前に立つ。

 

「2人共…本当に無理しちゃダメよ?

旅の方…ルピナス様と言いましたか…どうぞ宜しくお願いします!」

 

「母さんたら大袈裟!今生の別れじゃないんだし、片道たったの2日だよ?」

 

「リーサ!村の外はいつ怪物が襲って来てもおかしくは無いのだ!

その油断が大惨事を招くことだってあるのだぞ!」

 

f:id:gouzo:20190219100255j:image

 

「父さん、リーサには僕が付いてます。

アイツに暴走はさせません。

見晴らしのいい街道を通っていきますし…

大都市に到着したら、伝書鳩を飛ばします」

 

門に来ても、一家は中々リーサ達を送り出そうとはしない。

次から次へ心配の声を寄せる。

 

…と、そこへ。

 

「…全く…お前達…

旅のお方が困っておいでだよ。

早く送り出しておあげ。」

 

背中が丸くなった老齢のご婦人が

人垣を分け入り近付いて来た。

 

「お祖母様…」

 

「昔はね…隣の街なんて普通に買物に出かけられたものなんだけどねぇ

月に1回若人皆で連れ立って行ったものだよ」

 

「曾ばあちゃんたら、いつの時代の話なのよ」

 

「さてねぇ…このところ年で記憶も曖昧だよ…そういえば、私の母さんも死ぬ前に同じ事言ってたかねぇ」

 

「やめてよ、曾ばあちゃん〜!

まだまだボケずに長生きしてよね!」

 

「可愛い曽孫が帰って来るまで、死ぬ訳にはいかないね」

 

「うん。待っててね!

沢山お土産買って来るからね♫」

 

「…では…曾祖母さま、父さん、母さん…村の皆…行って来ます!」

 

恐らく、村から出かける者は相当久方ぶりなのだろう。

見送る方、旅立つ方も覚悟の出立だ。

 

ルピナスは出立の準備も踏まえ村で1泊させて貰った。

そして出立は朝の日差しが眩しく照らす白い道を行くことになる。

 

一見する限りでは、長閑な風景だ。

 

この先どんな旅が待っているのだろうか。

 

 

(31話へ続く)