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!!!5秒以上1分未満な物語!!!

ブログ小説第2弾です!今回は主人公がいますwずっと描きたかったテーマだったので…上手く表現できれば…と思います!

【KADODE】18話「さて、これからどうする?」

第18話

 

「さて、これからどうする?」

 

怪物の亡骸は道から外れた樹林に埋葬する。

(…と、いっても軽く土と枯葉を掛けるだけだが)

現実世界と同じ働きをするなら、微生物や獣が土へ還す作業をするだろう。

 

「まだ怪物はいっぱいいるの!

退治してかなきゃ〜!」

「あ!あと…あのね、さっき逃げてった女の子が気になるの…無事にお家へ帰ったかなぁ?」

 

「…そうだな。重症は追って無かったようだが…帰還できたか、確認するか?」

 

「うん!この先に小さな村があるの!

多分そこに住んでる子だと思う♫」

 

「…⁈ あ〜〜〜!!!」

 

「…何だ?」

 

「大事な事忘れてた!!」

 

「大事な事?」

 

「お兄ちゃの名前まだ聞いて無かった!

自己紹介まだだったぁ!!」

 

「…

……、、それは大事な事なのか?」

 

「大事だよぅ!仲間なんだから!」

 

「だから仲間では無いと…

…、、いや、いい。

自分に名は無い。兵器としての製造番号ならあるが…」

 

「製造番号…?

違うよぅ…ちゃんと名前だよぅ〜」

 

「…そうは言っても…自分は人間では無い

…いや、元は人間だったのだが…」

 

「人間だった時の名前教えて♫」

 

人だった頃の名前…?

 

すぐには思い出せなかった。

そもそも生身の体だった頃から研究所に収容され、被験番号で呼ばれていた。

 

自分に…名前などあっただろうか?

 

記憶を更に遡る。

 

…不思議だ。

戦時中は、このような思考など働かなかった筈だ。

人間だった頃の記憶など…思い出す事すら無かった。

 

ふと…

 

古い古い…いつの頃と分からない記憶が

脳裏にフラッシュバックした。

 

母親なのか?

女性が自分の頭を撫でる…

 

『ごめんなさい…

お母さん…もう長くないみたい…

お前を置いていくのが…心配…

ああ…神様…

どうか、この子を御守りください…

ルピナス…愛しているわ…』

 

余りに古く、果たして正確な記憶なのかさえ分からないが…

 

「…ルピナス…そう呼ばれてた気がする」

 

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ルピナス兄ちゃ?素敵な名前なの〜♫」

 

「古い記憶だ。定かでは無いぞ?」

 

名で呼ばれるのは…違和感しか無い…

 

それでも…

居心地の悪さの奥に

未知の感情が芽生えた気がした。

 

 

(19話へ続く)