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!!!5秒以上1分未満な物語!!!

ブログ小説第2弾です!今回は主人公がいますwずっと描きたかったテーマだったので…上手く表現できれば…と思います!

【KADODE】第12話異形の一つ目の前に立ちはだかった子供…

第12話

 

異形の一つ目の前に立ちはだかった

その子供は…

今、確かに自分の事を“カドデ”

と、言った。

 

『主システムKADODEか⁈

もう侵入者(自分)の存在を察知したか?

…この世界へやって来てまだ50秒ほどだった筈だが…』

 

しかし本当にKADODEなのか?

まだ確証は無い。

子供が空から降って来るなど…確かに普通では考えられないが…

今のこの夢想世界では何が起きても不思議では無い。

目の前のこの子供が本当にKADODEなら…

創主である主システムは手を焼く事無く、

イレギュラーである異形の一つ目を消去できる筈だ。

 

「女の子をイジメる悪い怪物ゎ退治しちゃうのだ!

…えぃ〜!!」

 

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カドデと名乗る子供は、果敢にも

巨大な異形の存在に立ち向かう。

しかし…

巨人と子供では腕のリーチが違い過ぎる。

上手く素早さでカバーし、棍棒を回避し懐に入れればいいが…

 

トテトテと走って行ったカドデは…案の定

巨人の棍棒クリティカルヒット

その小さな体ごと投げ飛ばされてしまった。

 

『ホームラン…』

 

戦前賑わっていたベースボールという競技を連想させた。

 

「やはり…主システムKADODEでは無かったのか?

どこかで話だけが偶像と化して出回っているのか?」

 

あの子供がKADODEでは無いのだとすれば…

もう、そろそろ本物の監視システムが察知する筈だ。

 

「ここらが潮時か…」

 

先刻の子供の登場で、異形に追われていた少女は無事逃げ延びることができたようだ。

 

もう長居は無用…

痕跡を極力残さないよう、意識を集中し

帰還の動作へ移ろうとした時…

 

「あぅぅ…痛いよぅ…タンコブできた…

でも正義の味方は泣かないんだもん…ぅぅ」

 

ホームラン…否、異形により飛ばされた子供が起き上がり、再び一つ目の前へやって来た。

 

『打たれ強いな』などと無意味な感想が頭によぎったが…

2度目は無事では済まないだろう。

…にも関わらず子供は異形に向かって行く。

 

子供の足元はヨロヨロとおぼつなかい。

 

「皆が平和でいられる為に!カドデ戦うもん!」

 

カドデと名乗る子供が言い放ったその言葉に…

己の知らない意識の奥底が小さく波打った。

 

 

(13話へ続く)