【KADODE】96話 轟音の如き何かの鳴き声が耳に衝撃を与えた
第96話
リージは自分から遠のき、ワイバーンへ赴こうとするルピナスへささやかながらも、有りっ丈の気持ちを込めて祈りを捧げていた。
決して敬虔な信徒とは言えないリージだったが…果たして祈りは通じるのか…
指を組み少し俯きかけた、その時だった。
轟音の如き何か…
生物らしき鳴き声が耳に衝撃を与えた。
「…⁈ …な、何? 」
未だジンジンと音の衝撃がこだましている自らの耳を押さえつつ、顔を上げたリージの目に飛び込んで来たのは…
長い首を真っ二つに絶たれ、血飛沫に巨体を染めながら落下するワイバーンだった。
「…え?」
リージは分けがわからず、瞬間固まる。
…一体誰が…
あんな巨大で強力な怪物を⁈
…いや。
その答えは、当然のようにすぐに判明した。
(97話へ続く)