【KADODE】95話「待って下さいルピナスさん!」
第95話
「待って下さいルピナスさん!
ちゃんとした武器や装備も無いのに…
ワイバーン三匹相手なんて…無茶過ぎです!」
軽くリージの方へ向けて聞こえるかどうか程小さく言葉を発する。
「武器は…村で貰ったナイフがある。
この程度の飛行生物なら…本来のチカラの15%も出せれば壊滅可能な筈だ。」
「…え?」
ルピナスの後半の言葉は、燃え崩れる家屋の轟音で聞き取れなかった。
リージの意識が一瞬別の方へ向いた時にはルピナスがワイバーンへ向かい出していた。
ワイバーン三匹…
いずれも未だ上空…燃え盛る村の上で破壊を楽しんでいた。
そこまでの高さにはいないが…
それでも攻撃しようとすれば、弓か魔法しか届かないだろう。
「ルピナスさん…」
リージは祈る。
勝てなくていい…
死なないで…
(96話へ続く)