【KADODE】94話 「三匹か…」
第94話
「三匹か…」
「僕が最初に見かけた時よりも、数は少しだけ減っています…
村を破壊…し尽くしたので他へ行ったのでしょう…」
リージは必死に冷静を保ちながらも、苦しそうに言葉を発する。
「けれど、流石に三匹相手では…不可能です…!
生存者救出を優先して…退避しましょう…!
…ルピナスさんまで居なくなったら…
僕はどうすれば…」
言葉の最後の語尾が鼻声になる。
理性と感情が入り混じっているのだろう。
「…無理はしない。
この世界で、どれほどチカラが自由に働くかは分からないが…試す価値はあるだろう。」
独り言のように囁くルピナスの言葉の意味がリージには分からなかったが、ルピナスに躊躇や恐怖は感じられなかった。
(95話へ続く)