食べ物〜!食べ物〜!以下、一口サイズ物語!
【第19話】
少しずつ、地下に生活基盤を作る作業が捗ってきたよ。
大天使様がこの地下に住むことを許して下さったお陰だね!
今日は食料事情について、お話しするよ。
(そうだったね〜!皆、食べ物はどうしてるんだろ?)
主食の麦は以前にパン屋さんが持ってたけれど…
皆の為に使い果たしてしまって、
今はもう無いみたい…
だけど、農家を営なんでた人達が
種を色々持ってたよ。
手始めに植えてみた野菜は、
幾つかは順調に育ってるの。
特にジャガイモは、大天使様のこの地では育ちが物凄く早くて、
植えてから二週間ほどで収穫出来ちゃうから
今では貴重な主食源になってるよ。
(天使玉はお日様より凄いんだぁ〜⁈)
大天使様の光と、
聖なる水と、
肥沃な土に感謝感謝だね!
農夫達の勢いもどんどん上がってきた。
代々受け継ぎ、守ってきた故郷の畑…
まだ作物達が沢山息づいていた畑を見捨て、
魔物から身一つで逃げなくてはならなかった。
せめて、作物達の生きた証…
種だけでも連れて行こうと、
荷物の中に忍ばせ、逃げてきた。
途中、仲間達が魔物の餌食になった
息が切れて、
心臓が止まるまで走り続けなきゃならなかった。
背中に背負った荷物が邪魔だった。
早く走れず
重さで体力も消耗する…
「やっぱり種、捨ててしまおうか?」
何度も頭によぎるけれど。
父母、先祖達の大事に残してきた種…
黒く腐敗していく故郷の畑で
健気に佇む作物達…
辛くて、半泣きになりながらも…
種はやっぱり捨てることは出来なかった。
けど、今。
種を一緒に持ってきて良かったと
心の底から思った。
先祖の想い、
犠牲になった作物達…
地下に種を蒔き、
青々と逞しく育っていく作物達を見ながら
彼らに少しは報いることが出来たと…
農夫の青年は少しだけ自分を褒めてやった。
【20話へ続く】
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!(^ ^)Gうーぞうです!
昨日、北海道の地震に触れましたが、私の友人は無事なようでした。
けれど、被害は甚大で心が痛みます…
大阪の友人も台風の被害が酷く、道路を走るのが困難だと言ってました。
こうしてみると、誰のもとにもいつ、何とき災難が降りかかるか分かりませんね…
いつ非常事態が起きても、最善の対処をできる限り行えるよう、日頃からの準備と心構えをしていこうと改めて思いました。
今日のイラストは練習絵です。
1週間かけて少しづつ制作過程を掲載していこうと思います(えぇ、サボりではありません。)
髪の線を変えてみました。
もう少し描線少なめがいいのかなぁ?