【KADODE】101話 ワイバーンの首に蹴りを入れ…
第101話
ルピナスはワイバーンの首に蹴りを入れ、動かなくなったところで、トドメに羽に突き刺さっていたナイフで首を刎ねる。
ルピナスは戦闘慣れしていた。
リージにとっては全てが初めて目の当たりにする事で…
例え憎い怪物とはいえ、凄惨な戦闘の光景に多少の恐怖を抱いていた。
ルピナスが無事だった事、怪物が倒された事…その恐怖…
諸々が混然一体になってしまい、暫くは何も出来なかった。
「…無事か?怪我は…?」
低く少しばかり不器用な声がリージにかけられた事でやっと我に返る。
「あ…あの…。ルピナスさん…
その…ぼ、僕…何も出来ずに…」
真っ先に言いたい事は、そんな事では無い筈なのに…
ルピナスの無事や、ワイバーン討伐の感謝など…言わなくてはいけないのに…
気持ちが絡まりすぎて、上手く頭が回らなかった。
(102話へ続く)