気難し先生と生徒達!以下、一口サイズ物語!
【第83話】
(学校の校庭でダンスの練習してる!
ここでも300年祭?)
うん、学校でも
お祭りやるみたいだね!
明日が本番らしいよ♫
(校庭に屋台組みがある!
もしかして、
屋台とかもあるの?)
生徒や保護者主体で、
出店もやるみたいだよ!
賑やかになりそう!
(りんご飴あるかな?楽しみ♫
…校庭の端で…
怖そうな顔の女の人がいる)
教頭先生だね。
いつも怖い顔してるの。
口を開けば、
生徒に厳しい事ばかり…
(こ、怖い先生なんだ〜⁈)
ううん、本当は
そんな事ないんだよ。
でも…中々上手く馴染めない
みたいなの。
… … …
「明日は感謝祭…
生徒達のダンスもバッチリね…
出店の準備も順調だし…
…よし!明日くらいは…
ずっと笑顔で…
生徒達に楽しく過ごして
貰わなくちゃ…!
私、頑張れ!
いい加減、あがり症も
克服しなきゃ…
緊張でしかめっ面してちゃ…
いつまでも怖い先生…
て印象が抜けないもの!」
… … …
(な、何か…もの凄い悩んでるね…
しかも、その悩みで
更に眉間にシワが…)
… … …
「さぁ!明日はダンス本番です!
しっかりやりなさい。
今日は解散!
速やかに下校するように!」
「は、はい!」
… … …
(あぁあ…そんな堅い言い方じゃ…
生徒さん恐縮しちゃって…)
でも、本当は
子供の事が大好きなんだよ。
教頭先生のバイブルは
300年前、学校を立ち上げた
少女先生の著書なの。
(少女先生とは…
だいぶ性格が違うね〜
…明日…生徒達と上手くお祭り
楽しめるかな?)
… … …
「…今日はお祭りですが…
羽目を外し過ぎないよう。
また、食べ過ぎには…」
「教頭先生……」
「はっ⁈
…いけない…また私…
今日は、和やかにって思ってたのに〜!
…これじゃ、ダメね…
やっぱり、生徒達に好かれるなんて
私…出来そうもない…」
「教頭先生〜?
聞いてます?」
「え?…はいはい、何でしょう?」
「私達と一緒に踊りませんか?」
「……え?」
「私達、ずっと教頭先生と
仲良くなりたかったんです!
お祭りの…こんな機会だから…」
「…!!
学校を初めて創立した
偉大な校長の著書に…
"生徒と共に踊りましょう!
踊れば色々解決できる!"…と、あった。
…私にも出来るのかしら…」
「さぁ、手を取って下さい!教頭先生」
「ええ…
…踊りましょう!」
… … …
(あ!教頭先生…少し笑顔が!
まだぎこちないけど…楽しそう♫)
先生が生徒を想い
生徒が先生を想う…こんな姿は
いつの時代になっても
同じなんだね!
(84話へ続く)