純白ドレス…と、おんりーゆー!以下、一口サイズ物語!
【第81話】
地下4階の工業地区の人達も
今日は仕事を昼までで終わらせる所が
多いみたいだね!
皆、笑顔…
早めに帰って、今日は家族と
合流するのかな?
(あれ?…機織り工場から
女の子が飛び出て来た!
凄いソワソワしてるよ〜!)
あの子は恋人と待ち合わせがあるんだよ
…お互い、仕事が忙しくて
しかも住んでる階が違うから…
月に一度くらいしか会えないらしいの。
(顔ニヤつかせながら猛ダッシュだ!
…橋?
ここが待ち合わせ場所かな?
反対の橋の方から、
何か白い物抱えて歩いて来る人がいる…)
… … …
「お待たせ!ちょっと機織り工場で
手間どる仕事できちゃって…
あれ?その白いのは…綿花??」
「うん…僕が収穫したのだよ。
これで…君にドレスを作って欲しいんだ」
「?…うん、いいけど…
どんなドレス?
…サイズは?…着る人決まってるの?」
「ええ…と。
…白い色の…ドレスで…
えと…その…着るのは…」
… … …
(あぁ〜〜!何だか焦れったい!
彼…何でそんなモジモジしてるんだろ?)
シィ〜!今、頑張って喋ろうとしてるから!
… … …
「あの…その…
作った…ドレスは君に着て欲しくて…
…ウェディングドレスを…作って…」
「…え?」
「だから…
……その…ドレス着て、
僕と結婚してください!」
「……!!」
… … …
(……やっと言えたみたい!
めでたいね〜♫
…て、女の子…返事は?
…あれあれ?泣いちゃった??
泣いてるのに…
花のように笑った!)
… … …
「…はい。
私も、あなたのお嫁さんになりたい」
… … …
良かったね!
2人は結ばれたんだね。
(…あの2人を見て思い出したけど…
織姫さんの恋はどうなったの?)
30年後のあの日から、数年後
綿花農家の青年は病気で亡くなってしまうの…
(え…そんな…)
でも、織姫さんはずっとずっと
青年だけを好きでいたんだよ。
いつか、川に橋が架かって
青年と再会できる日を夢見て。
(82話へ続く)